2017.12.20外国人留学生の所得税
外国人留学生の学生条項や租税条約等
所得税が免税に
1、日本で働く労働者数の増加
日本で働く外国人労働者数は100万人を突破しました。そのうち外国人留学生は20万人もいます。外国人への給与は原則所得税の課税対象となりますが、租税条約や租税協定によ免税になる場合もあります。
今回は、労働者の多い国を中心に租税条約についてまとめたいと思います。
2、外国人労働者の国籍別
厚生労働省の外国人雇用状況まとめより
国籍 労働者数 留学生数
中国 34万人 7万人
ベトナム 17万人 7万人
フィリピン 12万人 7百人
ブラジル 10万人 1百人
ネパール 5万人 3万人
韓国 4万人 6千人
3、所得税の免税
外国人留学への給料は原則課税ですが、租税条約や租税協定が締結されており、さらに学生条項として「生計等のために受け取る所得等については、一方の締結国(日本)の租税を免除する」と規定がある場合には、所得税は免除となります。
ただし、免除を受けるためには、「租税条約に関する届出」や「在学する学校が発行する在学証明書」を提出してもらう必要があります(租税条約等実施特例省令8)。
4、各国の租税条約等の有無
租税条約と学生条項の有無
国 租税条約の有無 学生条項
中国 〇 免税 〇 (中国租税協定21条)
ベトナム 〇 免税 ✖ 国外から支払われるもののみ(税協定20条)
フィリピン 〇 免税 〇 5年間は免税(年間1,500米ドル)(条約21条)
ブラジル 〇 免税 〇 3年間は免税(年間1,000米ドル)(条約17条)
ネパール ✖ ✖
韓国 〇 免税 〇 5年間は免税(年間2万米ドル)(条約20条)
ペルー ✖ ✖
上記のとおり、中国人留学生の場合は生計に充てる場合は基本的に免税となります。
フィリピン、ブラジル、韓国の留学生は、一定期間・一定金額の範囲内であれば免税となります。
ベトナムは租税協定があるものの、国外から支払われるものと限定されているため日本で支払われた給与収入は課税対象となります。
各国の租税条約等をまとめた表を掲載しておきますので、参考にしてください。